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初めて結婚相談所のパーティに参加してみてあれこれ
都築、理恵(仮名)さんとは、結婚相談所に入会して最初のパーティで出合った。
パーティといっても、男女5人ずつの非常にシンプルな形式。
男女5人ずつ順番に話をして、最後に気に入った人を決めて、
カードに記入するというミニパーティである。
結果は、当日判明する。
私にとっては、初めてのパーティであった。
当日、会場に早く着き過ぎたので、近くでそれとなく待機していた。
すると、一人の女性が支社のビルに入っていくのが見えた。
きれいな人だと思った。
私はもしかしてパーティ出席の女性ではないかと思った。
支社について会場の椅子に座り、
まわりを見渡すと、その人の姿があった。
彼女だけが他の女性よりも美しく、
他の4人の女性は、あまり惹かれるところはなかった。
都築さんと話していると、自分が元気になって行くのが分った。
中間インプレッションで私は指名が入っており、
他の女性が帰った後、29歳の女性としゃべっていた。
そして帰るときに、アドバイザーの人から指名された人との感想を聞かれた。
そうですね、私としては、指名していただいた女性ではなく、
できれば都築さんの方がよかった。
と言った。
都築さんですか。
そうそう、都築さんはあなたを選んでいますよ。
パーティで誰が誰を選んだというのは、
支社から正式に連絡が来るまでは、教えてもらえないのですが、
特別に教えていただいた。
結婚相談所では、相手の釣書を見たうえで、
再度正式な返事をするという決まりになっていた。
とりあえず都築さんから選んでもらえたことで私は有頂天になっていた。
婚活なんてその気になれば、いつでもカップルになれるのだなあと思った。
しかしまだ気を緩めてはいけない。
相手から正式な申し込みがあるまでは。
後日、用紙が送られてきた。
交際OKということで相手の紹介書が送られてきた。
そこには、彼女に関するデータが記載されている。
彼女は短大卒だが、一般企業で正社員として働いていた。
30歳にしてあの美しさ。
短大を卒業して、入社したころはもっと美しかったに違いない。
もちろんこちらからも、相手の交際を受け入れる旨の書類を送付した。
ただ、相手の方が先に交際申し込みをしたということで、
私には相手の連絡先が教えてもらえなかった。
申し込みの時間差で、先に申し込みをした方から、
相手に連絡するという決まりになっている。
私は彼女から連絡があるかもしれないと、
週末にもあるにもかかわらず、どこにも行かず待った。
しかし週が明けても、1週間たっても、2週間たっても、
彼女からの連絡がない。
私は支社に電話を掛けてみた。
女性から男性に連絡しにくいのではないでしょうか。
都築さんの連絡先を教えていただけたら、
私の方から連絡を取りますがと言ってしまった。
すると、女性担当者は、そんなことはないと思いますよ、
都築さんは長く活動されていますので、
慣れておられると思いますよと言われた。
しかしその後、1週間待っても連絡はなく、
そしてパーティが終わってから、ほぼ1か月過ぎたころ、
支社を通じて彼女からお断りの通知が来た。
さんざん待たされたあげく、一度も会うことなく交際完了になってしまった。
何がなんだかさっぱりわからなかった。
その時はかなりショックであったが、
あまり、有頂天になりすぎていたなあと思った。
事の成り行きを考えてみたが、はっきりしたことがわからなかった。
このことを、友達に話すと。
相手はサクラと違うかという。
都築さんは、サクラとしての期日が来たので、
もう会にいる必要がなくなったのですよと言ってくれた。
その時はそういうものか思ったが、全国的に名の知れた結婚相談所が、
サクラを使うことはありえないと思う。
ところがそれから半年ぐらい過ぎたころ、
会報誌の新規入会者コーナーに載っていたある女性に交際申し込みをやってみた。
すると、支社からはこの女性にはお取継ぎできませんと返事が来る。
既に交際済みとなっていた。
新入会員なのに、私との交際は終了済みとはおかしいと思った。
いろいろ考えた結果判明した。
これは都築さんであった。
名前は載っていませんが、以前私のところに送られてきた女性とそっくりだった。
都築さんに違いない。
このたび、一日も早く結婚したくて入会しましたとよろしくお願いしますと、
まるで昨日入会したばかりのようにメッセージ欄に書いてあった。
ということは、会費を払って、会期を更新したのだ。
それまで、2年間も彼女は結婚相談所の活動をしていたのだ。
その後、私は結婚相談所で長く活動をしているが、
ついに、彼女のような美貌の持ち主とはめぐり会うことはなかった。